「工場長が現れた!つかまえますか?」

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ここはマサ◯タウン・・・。今日から僕の冒険が始まる・・・。

草むらからがさごそ音がする。ポケモンか・・・?ドキドキ。

違った。こいつは、「工場長」だ。草むらから、工場長が現れた。

 グレーの作業着を上下にはおりながら、手にはわかりやすく工場長と書いた工具を持っている。

 目は虚ろ、格好自体はボロボロで清潔感と呼べるものは何一つない。

 とりあえずポ◯モン図鑑ではエラーがでるが、捕まえてみようと思い、旅立ちの際にもらったピ◯チュウ的なヤツで体当りした。

 「うぅぁぅ、」とうめき声を上げながら「最近の若いもんは、、、」と舌打ちをしてきた。効いてるみたいだ。

 腹が立つので20回くらい体当りした。

 すると横になったので、モ◯スターボールで捕まえようと思った。

 ネットで調べたライフハックで、前おばあちゃんからもらったマ◯ターボールは99個まで増やせたので、これを投げてみた。工場長はあっけなく捕まった。 

 その後ポ◯モン図鑑は相変わらず反応が鈍くわからないことだらけだが、名前は「サトウ」というらしい。レベルは65だそう。

 技は何も覚えていなかった。何だコイツ使えないな。

すると、落ち着いたのも束の間で今度は茶色い作業服を着た工場長が現れた。

「色違いの工場長だ!」

〜プロローグ〜

 『野生の工場長が飽和した、そうここは始まりの街マサ◯タウン。ここはかつて無数の工場地帯だった。』

 『しかし外国での戦争をきっかけに原料価格の高騰の波が多くの工場を襲う。』

 『ほとんどの工場は維持、存続が困難になり、その責任を取らされ多くの工場長が野生に放たれた。』

 『工場長達はかつての栄光を捨てきれず作業着姿で彷徨い、特に思い入れのある道具や材料を持って徘徊した。』

 『彼らはもう一度再起することを夢見て草むらに潜み、夢ある冒険者達に現実を見せようとするのであった。』

〜プロローグ終わり〜

 色違いの工場長が出ると、急に捕まえた工場長「サトウ」が暴れ出した。

 なるほど。「サトウ」も戦いたいんだな。コイツには勝てると思っているのかもしれない。いいぞ、いけ!「サトウ」!!!(技ないけどなんとかなれ)

 違った。2人は知り合いらしく、話し始めた。なんだよ。意味わからん。

【「サトウ!」攻撃!】と言っても聞かず、こっちを2人で見ながら工場長達は僕のことを「若いものは年寄りの苦労がわからん、、、」や「根性がない。」などと馬鹿にしてきた。そして僕は無視して話し始めた。

 怒れる僕は、もう一度「サトウ」を捕まえたときと同じく新しくでた工場長にピ◯チュウで体当りさせた。ついでに「サトウ」にも2発ほど体当りした。

色違いの工場長は「ワタナベ」で、レベルは60だった。コイツも技がない。

 完全に今後の冒険の邪魔になると思ったので、一度家に戻り、母に事情を説明し、工場長2人を預かってもらった。

 1年後、四天王を倒し帰省したら僕に妹ができていた。

 妹は工場長に目元がそっくりだった。母と工場長Aの距離がとても近く感じた。

「ワタナベ」は自然に返されていた。

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